2024.06.25(火) イベントレポート

ホテルという非日常空間で楽しむ、ストリングカルテットの調べ―
「おとホテル」Vol.1レポート

イベント風景

リゾートトラストがヤマハミュージックジャパンとのコラボレーションでお届けする音楽とホテルの融合「おとホテル」。待望の第1回目となる今回は、ラグーナベイコート倶楽部(愛知県蒲郡市)にて、クラシック弦楽四重奏が、3部構成で古今の名曲をたっぷり演奏。集まった観客は目の前で奏でられる生の音楽の力に、心の底から感動した様子でした。

「おとホテル」の初お目見えとなった本公演は15:30の第一部「ウェルカムミュージック」からスタート。まだ日も高い時間ながら、会場となったベイコート倶楽部のロビーには70人ものお客様が集合。「おとホテルってどんなイベント?」、「何が始まるのだろう?」という期待感がピークに達したところで、クラシック弦楽四重奏があいさつ代わりに奏でたのが、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク第1楽章」。2丁のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ…というたった4人のアンサンブルながら、目の前で繰り広げられるプロの演奏はやはり圧巻。30分という時間があっという間に過ぎていきました。

高く澄んだ空を赤く染める西日が秋を感じさせる17:00。そろそろディナーが近づき、ホテル内も人でにぎわい出したところで今夜の本編ともいうべき第二部「ディナータイムミュージック」がスタート。ここでアンサンブルは左右両ウイングに2名ずつ別れ、ヴァイオリン×ヴィオラ、ヴァイオリン×チェロ、ヴィオラ×チェロ、ヴァイオリン×ヴァイオリンという変則二重奏となり、バッハやドヴォルザーク、モーツァルト、チャイコフスキーの名曲を次々と披露。デュオ(二重奏)というミニマムな編成だからこそ楽器そのもの音に耳と心が自ずとフォーカスされる――そんなパフォーマンスに観客も割れんばかりの喝采を送っていました。

夜のとばりがすっかり降りた21:30。いよいよ今宵のラストステージ「カクテルタイム」の幕開け。クラシック弦楽四重奏が奏でるパッヘルベルのカノンの旋律に、会場全体が静謐なムードに包まれたかと思いきや、その直後に演奏された坂本九の「見上げてごらん夜の星を」でリラックスムードへ。そして、最後はおなじみ「星に願いを」で大団円――。客席を見渡せば、みな一様に笑顔。硬軟織り交ぜた弦楽四重奏の演奏に、観客はみな心の底から音楽が持つ楽しさを体感している様子でした。
大盛況のうちに幕を閉じた「おとホテル」第1弾。客席からは「次はいつだろう?」という声も聞こえてくるなど上々の滑り出しとなりました。

【 セットリスト 】
15:30~「ウェルカムミュージック」
・アイネ・クライネ・ナハトムジーク第1楽章/モーツァルト
・美しき青きドナウ/シュトラウス
・弦楽四重奏曲 第77番 第2楽章~皇帝/ハイドン
・舞踏会の美女/アンダーソン
・弦楽四重奏曲 第2番 第3楽章/ボロディン

17:00~「ディナータイムミュージック(前半)」
編成:ヴァイオリン×チェロ
・インヴェンションより1番&8番/バッハ
・愛の喜び/クライスラー
・白鳥/サン・サーンス
・バッサカリア/ヘンデルハルボルセン

編成:ヴァイオリン×ヴィオラ
・愛の挨拶/エルガー
・ユモレスク/ドヴォルザーク
・チャルダッシュ/モンティ

19:30~「ディナータイムミュージック(後半)」
編成:ヴィオラ×チェロ
・2重奏曲 メヌエット/ディッターズドルフ
・ユモレスク/ドヴォルザーク
・サウンド・オブ・ミュージックメドレー
・エンターテイナー/ジョップリン

編成:ヴァイオリン×ヴァイオリン
・奥様がお呼びの時は/「フィガロの結婚」より
・もう飛ぶまいぞ、この蝶々/「フィガロの結婚」より
・恋はどんなものかしら/「フィガロの結婚」より
・恋人よ、はやくここへ/「フィガロの結婚」より
・弦楽セレナードよりワルツ/チャイコフスキー
・エチュード=カプリスNO.4/ヴィエニャフスキ

21:30~「カクテルタイムミュージック」
・カノン/バッヘルベル
・見上げてごらん夜の星を/坂本九
・虹の彼方に/「オズの魔法使い」より
・亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル
・月の光/ドビュッシー
・弦楽四重奏曲第13番よりカヴァティーナ/ベートーヴェン
・星に願いを/「ピノキオ」より